1日青汁1杯で過ごす謎について [低栄養状態で生きる動物たちの不思議]

「1日に青汁1杯」の著書によると、「腸内細菌叢を調べてみると人間離れしており草食動物の牛のそれに近い」とあります。

パンダの例を見てもわかるように、青汁(=粉末化されたセルロース) だけでなく、セルロース分解菌も一緒に飲み込んだか、あるいは人間の腸管にわずかに存在するセルロース分解菌が、腸管内で優勢種となったと考えれば説明が付くのです。

じっさい、人間の結腸内の腸内細菌には、セルロース分解能を持つものがわずかながらいて、粉末状にしたセルロースを服用すると、100 % 近い効率でセルロースを利用できる、という研究もあるのです。

まず最初に、病気治療のために絶食療法を行いました。この期間に大腸内は貧栄養状態となり、腸内常在菌の数も種類も減少します。

そこで青汁を飲みます。この時、経口的にセルロース分解菌が入るか、腸管内のセルロース分解菌が残っていれば、奇跡が起こります。粉末状のセルロースは、セルロース分解菌にとって最適の栄養源だからです。

さらに、この大腸には他の細菌は少ないし、しかも彼らは貧栄養状態で青息吐息。そんななかで宿主は青汁のみを摂取してくれるのです。これはセルロース分解菌にとっては天国のような環境です。

このようにシミュレートしてみると、① 最初に絶食・断食していたこと、② その後に青汁単独食にしたことが、その後の「青汁のみ生活」を可能にしたと考えることができるのです。

なかでも、前もって絶食・断食していたことが重要だったはずです。いきなり青汁単独摂取を始めたとしても、セルロース分解菌が他の腸内細菌を圧倒して優勢種に切り替わるには時間がかかるだろうし、その切り替え時間の間は宿主(=人間) は貧栄養状態であり、ほとんどの場合は宿主がダウンしてしまうからです。

しかし、事前に絶食状態にしておくと、体は糖新生と脂肪酸分解のみで維持されて、貧栄養状態でもしばらく生きられるのです。その間に、セルロース単独代謝系をゆつくりと完成させればいいのです。

では、千日回峰行の食事の場合はどうでしょうか。おそらくこの場合も、千日回峰行に入る前の食生活が鍵を握っていると思われます。つまり、行本番に入る前に、断食するか食事量を減らして貧栄養に体を慣らし、この準備期間のうちに腸内細菌の種類を切り替え、同時に栄養の吸収効率と代謝効率を高めていくのです。

そして、そのような助走期間の後に、千日回峰行生活に突入するわけですが、この準備期間での切り替えに成功した者のみが行を達成できたのだろうし、行を2回達成した3名の人たちは、普段の生活ですでに切り替えが済んでいて、その延長線上で千日回峰行に挑んだと考えると納得がいくのです。

もちろん、「1100年間で達成者はわずか47名というのは、その切り替えは決して不可能ではないが、極めて困難であるということです。だから、私たちがいきなり千日回峰行に挑戦したり、この食生活に切り替えるのは、自殺行為でしかないのは言うまでもありません。

千日回峰行に挑むなら、前もって「千日回峰行仕様」の体に切り替えておく必要があり、そのためには、日常の食生活も、事前に千日回峰行様式に切り替えておかなければいけないはずです。このように、食生活が腸内細菌・腸内環境を変えている実例が、科学雑誌『ネイチャー』2010年4月7日号に掲載されています。

海藻の細胞壁を分解する細菌の酵素が、日本人の大腸から見つかった、というフランス人生物学者の論文です。日本人は世界でもっとも海藻を食べる人種ですが、おそらく、生で食べた海藻に海藻分解細菌が付着していて、それが海藻を日常的に食べる食生活のなかで排除されずに定着したという可能性が浮かび上がってきます。

労働と糖質の関係性
https://rumor-info.com/work-suger/

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