それなりに運動をした後はアミノ酸摂取をしたほうがいい

アミノサブリとして、アミノ酸の溶液、または粉末を溶かして飲んでいる人が増えています。ダイエットにも効くという触れ込みが効いたからかもしれませんが…

はたしてアミノ酸を食事以外に摂って、本当に健康によいのでしょうか。私たちの体の構成分のひとつがタンパク質で、その成分がアミノ酸です。

自然界には500種類ものアミノ酸がありますが、私たちの体を作っているものは約20種類です。それにより、皮膚や筋肉などができているのです。私たちが食べ物として摂取するタンパク質から、どのくらいのタンパク質を作ることができるかは、摂取するタンパク質に含まれるアミノ酸の比率によって決まります。

例えば、小麦、米のタンパク質には、リジンやバリン、スレオニンといったアミノ酸があまり多く含まれていません。小麦のタンパク質を摂取して、そこから私たちのタンパク質を作ろうとすると、リジンが少ないので、残りのアミノ酸も全部は使えません。
摂取した小麦のタンパク質の7%くらいのタンパク質しか作れないのです。つまり、あるアミノ酸が少ないと、他のアミノ酸の利用量も制限されてしまうのです。

さてアミノ酸の効果がもっとも期待されるのはスポーツの分野です。激しい運動をすると筋肉は損傷や炎症を起こします。

損傷した筋肉が再び合成されるときに元よりも多くの筋線維が作られ、それにより筋力アップができるのです。

最近話題になっているのが分岐鎖アミノ酸、つまり分岐した構造を持つアミノ酸です。これにはバリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸があります。これらのアミノ酸を運動後に摂取すると、筋線維の材料になるので合成を促進し、より太く強い筋線維を作ることができるのです。

アミノ酸のひとつであるアルギニンは、マクロファージを活性化させる作用があります。これにより炎症を起こした筋肉の修復が早まり、筋線維の再生が促進されるのです。炎症がおさまれば、筋肉痛もなくむります。細胞が代謝するときに発生するアンモニアは、肝臓の解毒機能を上回ることがあります。するとアンモニアは脳に行き、脳を刺激します。脳はこれ以上アンモニアを出さないように全身に指令を出します。

つまり、疲れたという気持ちが浮かび、運動などをやめることになるのです。アルギニンは肝臓の解毒作用を高めることでアンモニアを分解してしまい、疲れたという気持ちを持たせないようにします。

米国ではトリプトファンが不眠対策のサプリメントとして用いられています。トリプトファンはセロトニンを作り、それがメラトニンにななって睡眠を誘発するからです。

また不眠の原因のひとつに、くよくよ考えすぎる、あるいは将来を心配しすぎるということがあります。セロトニンはこのような不安をなくす作用があります。セロトニンはトリプトファンから作られますから、アミノ酸としてトリプトファンを補給することは、精神の安定にもつながるのです。

しかし、アミノ酸を摂っていれば、その元である食肉などを摂る必要はないのでしょうか。多くの人は食肉には脂肪が多く含まれ、それが肥満や生活習慣病の原因になるとして、アミノ酸だけを摂取した方がよいと考えているようです。

しかし脂肪、脂肪酸が体に必須のものであることはすでに述べました。またタンパクの分解産物のペプチドも吸収されていろいろな作用をしますし、カルニチン、ビタミン、鉄なども食肉には含まれています。ですから、よはど筋肉を使う人以外は食事でアミノ酸を摂るべきでしょう。
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